TELEMEDICINEWINDの活動:遠隔医療

広大な北海道に必要な
遠隔医療

少しでも妊婦さんの負担を軽く。
遠隔妊婦健診システムを立ち上げる。

馬詰 武

WINDでは、北海道での遠隔妊婦健診・診療システムの整備を進めています。
北海道は広大です。東西は東京から神戸まで、南北は能登半島の先端から紀伊半島の先端までが入ってしまう距離で、面積でいうと九州と四国に関東地方を加えた面積に匹敵します。北海道の地方に住む妊婦さんは、最低14回もある妊婦健診の通院は大変です。冬は路面や天気も悪く、フェリーでの移動が大変で、道外にいる方には信じられないと思いますが国道でも吹雪でホワイトアウトになることもあります。特に二人目以降のお子さんの妊娠の場合は、上の子供の面倒もみるのでとにかく大変です。

WINDでは少しでも妊婦さんの負担が軽くなるように、北海道庁をはじめとした行政や種々の企業、それに北海道大学COI(Center of Innovation)の協力を得て、現在摩周湖周辺や、道南地方での遠隔妊婦健診システムを立ち上げています。

馬詰 武

その甲斐あって今回の新型コロナウィルス感染拡大ではすぐに緊急対応でき、北海道大学病院では全国ではじめて大規模な在宅妊婦健診を行うことができました。それも、オンライン診療のノウハウを持っていたから可能になったことでした。

このような社会活動は、一般的な研究と異なり自分のアイディアをすぐに実践に移せます。そして、民間企業や行政の方々と接点が多く、医療界にいると知ることがない社会を垣間見ることができます。医師になってから、しっかりした臨床医になることは最も大事なことですが、その先にある医師としての可能性はもっともっと大きなものです。自分の発想が社会を変えることもあります。たくさんの仲間と一緒に活動できたらいいなと思っています。

令和二年五月末日 馬詰 武